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スマホで水管理 雨にも寒さの夏にも日照りにも負けない稲作 ずくなし農家にできるものか

農業情報研究所 201754から転載

 「農林水産省が昨年度、福井県あわら市の農事組合法人「イーノなかのはま100」の水田で行った、九頭竜川下流域パイプラインと情報通信技術(ICT)を組み合わせた水管理省力化の実証試験結果がまとまった。スマートフォンやタブレット端末を使った遠隔操作で水田に水を張ることができる「多機能型自動給水栓」の効果などで、これまでの水管理時間を5割程度削減できた・・・・・・。

  県などは、パイプラインの受益地域で「夜間かんがい」を推奨。夏場の夜に水田に冷たい水を張り、稲のストレスを回避してコシヒカリの品質を高める取り組みで、遠隔操作なら夕方や夜に水田に出向くことなく自宅から給水、止水の操作ができる。
 生産者の高齢化が進む中、水管理の労力削減は大きな課題の一つで、ICTを駆使したスマート農業の普及は「若者に農業に目を向けさせる動機付けにもなる」(北陸農政局九頭竜川下流農業水利事業所)と期待される」とのことである。

 稲作の水管理、スマホで5割時短 自宅や出張先から遠隔操作が可 福井新聞 17.5.4

 以下は激甚な五五(一九八〇)年東北冷害を克服した青森県稲作農民の体験記です(私の冷害克服作戦―篤農家の体験― 『青森農業』一九八〇年一二月号 『レファレンス』19814月号参照)。

 「今日は寒く気温も低いから水を入れようと思っても深水にするだけの畦畔設備が整っていなければできない。・・・・・・言うは易く、行うは難しい言葉通り実行力が先決であると思います。雨の降る晩は畦畔の見回りに二度起きて見回こともしばしば、間一髪で畦畔が破れるようなこともあり、一つには稲に対する気違いでなければできないこと。それが低温期間中の七月七日からはじまり八月下旬までの長期に亘ってのことです」(六戸町、小林福蔵氏)。

 「雨水を一滴も捨てない。そために、テレビの天気図、ラジオ、新聞の情報を高度に利用した。深水二〇センチの確認のために夜三時に田んぼを回ったこともあった。今年は長期の深水。朝、ふさいだネズミ穴が夕方別のところからゴボゴボ音を立てて流出している」(十和田市、山崎福太郎氏)。

 これほどの篤農でも、「県農試の良質米生産試験地を担当しているので、たくさんの見学者が来る。『こんな赤くし、よく我慢するもんだ。おらだあ肥料をまく』と心配してくれる。つい、フラフラとして試験的に、小さい田んぼに化成肥料の残りを散粉機に入れて一・五キロ表追した。まだ幼穂形成していないのに、この欲ばり追肥が青立ち稲をつくった」(十和田市、山崎氏)。                                                                     

 雨にも負けず、風にも負けず、寒さの夏にも日照りにも負けない日本の稲作農業、日本の食料安全保障を、どうしてスマホやタブレット端末、ずくなし農家に委ねることができようか。

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Author:寿
農業情報研究所(WAPIC)=http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/の所長・所員・小使いを兼務

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