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「存在してはならない生」 今月の論壇から(2)

「死刑執行があるたびに、あんな悪いやつは殺されて当然だ」との声が上がるのを見ていると、世論には死刑存置論が根強いように思われる。そうだとすれば、日本国民の多数派を納得させる死刑廃止論を組み立てるよりも、最高裁判所を説得できる死刑違憲論を組み立てる方が、まだ楽なのではないか、とすら思ってしまう。」 

 

哲学者ジョン・ロックは、自然法下での死刑を正当化するために、死刑の対象はもはや人間ではない存在(「獣」)、「尊重されるべき個人」ではなく、「存在してはならない生」=「物」(ライオンやトラなどの野生の獰猛な獣、あるいは「ゴキブリ」=生き物の命を奪うこと 1億総不感症?)と位置付けた。

 

 「しかし、個人を「獣に分類し、尊重の対象しないことは、日本国憲法の根幹となる『個人の尊重』という原理に反する。一度『存在してはならない生』という概念を認めてしまえば、時の政治権力が『社会にとって無益な人間』や『有害な民族』などを、その概念に含めてしまう危険が生じる。

 

 死刑大量執行の異常 死刑違憲論を考える―「存在してはならない生」の概念 木村草太 世界 20189月号 50-56

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プロフィール

Author:寿
農業情報研究所(WAPIC)=http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/の所長・所員・小使いを兼務。原発事故で「明るい農業・農村」の夢を失った老い先短い老人です。かつての行動派も病魔のために身体不如意、情報提供と批評に徹します。

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