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浪江町山林火災 放射性物質拡散に東京新聞が注意喚起

 福島県浪江町帰還困難区域・十万山の山林火災に伴う放射性物質拡散にかかわる問題、本HPとブログ・時評日日で連日取り上げてきた。ところがマスコミはまるで報道管制でも敷かれたように沈黙を続けている。そんななか、今日の東京新聞が特報欄で、漸くこれを取り上げた。

 

 帰還困難区域 除染手つかず 福島の山林火災やっと鎮火 「放射性物質の飛散心配」 住民「帰還に二の足」(25面)

 ダスト測定 数値上昇 「県の安全強調は拙速」 「正しい情報で住民守って」(26面)

 

 県は10日になっても、相変わらず火災現場周辺の空間線量率は「火災前と比較して大きな変動はありません」、「十万山近傍での大気浮遊じん(ダスト)のセシウム137の測定結果は、0.311.32mBq/m3の範囲であり、直近2カ年の発電所周辺環境モニタリング調査結果と比べ、ほぼ同程度の測定値でした。なお、県が設置しているモニタリングポストで測定している大気浮遊じんの測定値も火災前と比較して変動はありませんでした」などと、火災による影響を全否定するような広報を繰り返している。

 

 浪江町井手地区の林野火災現場周辺の環境放射線モニタリング状況等について(第10報)

 

 しかし、この特報によると、普段から浪江町などの空間放射線量を測っている「十万山近くの山林を所有する大熊町議」は、「火災後に町中心部で測定したところ、毎時〇・五マイクロシーベルトで火災前の二倍以上だった。・・・東京まで灰が届くというのは賛成できないが、かといって全く問題がないと言い切るのも違う。正確な情報を行政は発信すべきだ」と言っている(25面)。

 「県は一日からダストの測定を四カ所のポストのうち三カ所で始めたが、八日昼、山頂から南東に三・五キロ離れた双葉町の公民館で、セシウム一三七を一立方メートル当たり七・六三㍉ベクレル検出し、これまでの最大値の四倍近くになった。他の二カ所も軒並み上がった」(26面 福島県第10報の表2を参照されたし―農業情報研究所)。

 

 火災発生以来の風向きは概ね海側から山側を向いており、火災の影響を受けるのは現場より海側に位置する生活圏ではなく、もっと山奥ではないかと再三述べてきたが、八日と言えば、それまでの平均風速1.52.5メートルの概ね南東の風が、平均風速4.2メートルの西風(西風自体は7日から始まった)に変わった日であった(http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/daily_a1.php?prec_no=36&block_no=0295&year=2017&month=5&day=&view=)。まさに小生の推測が当たっていたことになる。

 

 鎮火した今、風が放射性物質を運ぶ可能性は大きく減った。ただし、放射性物質が固着していた有機物が灰になり、また山肌を覆っていた樹木が焼失したことで、放射性物質が水や崩れ落ちた土砂に運ばれる危険性は高まったはずである。今後長きにわたり、山地に溜まった放射性物質の挙動を監視する必要があるだろう。

 

 東京新聞にも、変わらぬ注意喚起と監視をお願いしたい。 

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寿

Author:寿
農業情報研究所(WAPIC)=http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/の所長・所員・小使いを兼務

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