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伊方3号機再稼動容認 発生頻度低い破局的天災に対する無策は社会通念


 広島高裁が25日、運転を差し止めた昨年12月の仮処分決定(伊方3号 高裁が停止命令 「阿蘇噴火、火砕流の危険」 広島地裁判断を覆す 東京新聞 17.12.14高裁、愛媛・伊方原発差し止め 火山リスク重視 規委審査「不合理」 毎日新聞 18.9.14)を覆し、四国電力伊方原発3号機の再稼働を認めた。

 広島高裁: 

 伊方原発の再稼働容認阿蘇大噴火「根拠ない」 東京新聞 18.9.26

 伊方再稼働許可:「福島の事故忘たか」被爆者ら怒り 毎日新聞 18.9.25

 判断の基準となったのは、「わが国の社会が自然災害に対する危険をどの程度まで容認するのかという社会通念」である。

 仮処分で最も重視された「破局的噴火」に伴うリスクについて、「発生頻度は著しく低く、国は破局的噴火のような自然災害を想定した具体的対策は策定しておらず、策定の動きがあるとも認められないが、国民の大多数はそのことを核別に問題にしていない」のだから、

「破局的噴火で生じるリスクは発生可能性が相応の根拠をもって示されない限り」(つまり、差し止めを訴えた住民側がそれを示さない限り)「原発の安全確保の上で自然災害として想定しなくても安全性に欠けるところはないとするのが、少なくとも現時点におけるわが国の社会通念だと認めるほかない」と断じる。

ところで、「国は東日本大震災・大津波のような自然災害を想定した具体的対策は策定しておらず、国民の大多数はそのことを核別に問題にしていなかった」のだから、「東日本大震災・大津波で生じるリスクは発生可能性が相応の根拠をもって示されなかった限り、原発の安全確保の上で自然災害として想定しなくても安全性に欠けるところはなかったとするのが、少なくとも当時におけるわが国の社会通念だと認めるほかない」。

裁判官は福島第一原発事故のことなどすっかり忘れている。この判断が当代の「わが国の社会通念」にいかに背くものであるかは、文末に掲げた各紙社説をみれば明らかだ。賛意を示すのは読売新聞一紙だけである。

天災は忘れたころにやってくる。

「文明が進むほど天災による損害の程度も累進する傾向があるという事実を十分に自覚して、そして平生からそれに対する防禦策を講じなければならないはずであるのに、それが一向に出来ていないのはどういう訳であるか」(寺田寅彦 『地震雑感 津浪と人間:寺田寅彦随筆選集』 千葉俊二、細川光洋編、中央公論新社〈中公文庫〉、20117月)。こういう裁判官のような権力者がのさばっているからである。

異議審広島高裁決定に関する各紙社説一覧

伊方原発の再稼働容認 リスクを直視していない) 毎日新聞 18.9.26

伊方運転容認“常識”は覆されたのに 中日新聞・東京新聞 18.9.26

伊方原発異議審 常識的判断で稼働を認めた 読売新聞 18.9.26

伊方原発決定  不安に向き合ったのか 京都新聞 18.9.26

伊方再稼働へ/首をかしげる高裁の決定 神戸新聞 18.9.26

伊方再稼働へ/首をかしげる高裁の決定 中國新聞 18.9.26

広島高裁伊方稼働容認 「社会通念」基にした判断に異議 愛媛新聞 18.9.26

伊方再稼働認める 安全性の追求どこまで 徳島新聞 18.9.26

【伊方高裁判断】危険を矮小化してないか 高知新聞 18.9.26

[伊方再稼働容認] 火山リスクの評価に差 南日本新聞 18.9.26





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プロフィール

Author:寿
農業情報研究所(WAPIC)=http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/の所長・所員・小使いを兼務。原発事故で「明るい農業・農村」の夢を失った老い先短い老人です。

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