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米国核兵器製造施設周辺地域の「先進事例」に学ぶ福島復興?御用学者の寝言?

農業情報研究所20181129日より転載

東日本国際大学の大西康夫福島復興創世研究所長が、米国ワシントン州ハンフォード核施設(核兵器製造拠点)の地元であるリッチランドの先進事例に触発され、福島復興に全力投球しているそうである。

氏によると、リッチランドは40年前、全米で最も放射能で汚染された地域で、全米2番目の過疎市だったが、今は放射能汚染は減り、ハイテク産業が密集、高成長を続け、ハンフォード周辺の人口は35万人、過疎と呼ばれたころの数倍に増えた。

 この目覚ましい“復興”は、核施設職員を含む地元民が一丸となって将来像を作り、実現にまい進した結果である。産業、教育、生活環境など分野ごとに目標を設定し、毎年全員で進展度を評価しあう。これを30年繰り返し、30年前の将来像を現実のものとした。

「その結果、経済の多様化を実現したのが大きい。核施設解体産業と農業をベースに既存産業を拡大し、新規事業の立ち上げ、外部からの事業誘致も進めた。その中核を担ったのが、エネルギー省傘下のパシフィック・ノースウエスト国立研究所だ。私も37年間働いた。1900以上の特許を持ち、そうした技術開発力で150もの会社を生んだ経験を生かした。

もうひとつ、ワシントン州立大学も40年前に皆無だったワイン産業をカリフォルニアに次ぐ全米第2位に育て、航空機用バイオ燃料の分野も全米のリーダーに引き上げた。農産物加工業を誘致し、リッチランドのフライドポテト生産量はいまや世界最大だ」。

「福島でも復興の中核を担うべきは、廃炉関連事業者、地方自治体、住民、大学である。私は49年にわたり世界の放射能汚染問題に向き合ってきた。この経験は福島のためだったのだと気付き、今、福島復興に全力投球している」のだそうである。

福島復興、米国の先進事例に学ぶ 大西康夫氏 東日本国際大学福島復興創世研究所長 日本経済新聞 18.10.29

近ごろ滅多に聞かない胡散臭い話だ。何よりも、米国エネルギー省の主張を鵜呑みにしたハンフォード周辺地域の「放射能汚染は減り」という大前提が怪しい。

核物質捜査専門家であるマサチューセッツ州ウースター工科大学のMarco Kaltofen,教授は、国の三つの研究施設周辺コミュニティからサンプルを収集、家庭ダスト、エアクリーナー、ハイキングトレイルに、目に見えないプルトニウム、トリウム、ウラニウムの放射性粒子を見出した。これら粒子は、もし吸入すれば、生涯を通しての吸入量は連邦の職業許容基準を超える恐れがあるという。 

8月に完成した彼の研究は、リッチモンド近くのハンフォード核施設周辺コミュニティから得た30のサンプルに高レベルの放射能汚染を発見したと報告している。広範な独立研究がハンフォード周辺に残る汚染を注視すべきだと言う。

Hidden danger: Radioactive dust is found in communities around nuclear weapons sites,Los Angeles Times, Sep 28, 2018

こうした隠れた放射能汚染に目を瞑り、あるいは隠し、住民や労働者を被ばくのリスクにさらし、放射能汚染食品を全米・世界にまき散らす、そんな復興とは何なのか。

福島の山野河川湖沼・農地には、恐らくハンフォード地域に勝るとも劣らぬ大量の放射性物質が残っている。除染廃棄物は至るところに野積みにされ、廃炉途上の第一原発は絶えず目に見えない放射性粒子をまき散らし、汚染水を放出し続け、今後起こり得る事故で再び大量の放射性物質をまき散らす恐れもある。

この経験は福島のためだったのだと気付き、今、福島復興に全力投球」など、御用学者(国、県、東電の)にのみが言えることだ。「ハンフォードの「先進事例」に学ぶ福島の復興、断固お断りだ。

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プロフィール

Author:寿
農業情報研究所(WAPIC)=http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/の所長・所員・小使いを兼務。原発事故で「明るい農業・農村」の夢を失った老い先短い老人です。かつての行動派も病魔のために身体不如意、情報提供と批評に徹します。

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