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「おじさんの世まい言」 成長戦略

成長戦略は「おじさんの世まい言」 地域の所得、増やすには 神戸新聞 18.12.2

 全国自治体の半分は、2040年までに若年女性が半減し地域が崩壊する「消滅可能性市町村」である-。民間研究機関「日本創成会議」が14年に発表した推計は、寂れゆく地方社会に警鐘を鳴らした。ところが今、過疎指定市町村の4割近くで30代女性が増加し、1割以上は転入者数が転出を上回る「社会増」だという。地方に何が起きているのか。持続可能な地域社会総合研究所(島根県)の藤山浩所長に聞いた。

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 -地域の所得を増やすには。

 「多くの食料や燃料を域外から購入している実情を変え、域内で循環させる必要がある」

 -地産地消の拡大ですね。

 「目指すは循環型社会。持続可能な社会を考えれば、食料や水、エネルギーや浄化能力など地域の環境容量に見合った暮らしが必然でしょう。例えば、人口千人の地域で電気などエネルギーの対外支払いは2億円ぐらい。森林資源があればバイオマス、風力や太陽光を利用し、つくる側に回る。まかなえないものは地方の都市圏で組み合わせていく」

 「大手企業が出資し、大規模な木質バイオマス発電施設を整備すると、利益は域外へ流出する。地元出資による小規模分散型の施設で、熱利用も組み合わせれば、長い目で見ると必ずペイする」

 -地方の未来は開けますか。

 「二酸化炭素も捨て場がない時代だ。循環型社会に組み替えていかねばならないことは明らか。お手本は自然の生態系。中山間地域や地方の方が近いところにいる。いまだに成長戦略と言うのは、おじさんの『世まい言』だろう」

 -価値観の転換が迫られると?

 「規模拡大を追求する経済ではもたないと、30代以下の人は気付きつつある。実際に若い世代が田舎に移住し、持続可能な生き方を模索している。われわれは幸せになるために暮らしている。GDPを稼ぐためではない」

 -行政、住民の役割は?

 「規模の経済で生じた格差の是正ばかりを求めていないか。地方創生は循環型社会に向け、未来に投資する発想でやるべきだ。田舎の田園風景は誰かが木を植え、石垣を積んで守ってきた。維持する負担はあるが、自分たちが守り育てた景観の中で暮らせる特権でもある。住民は生産や消費、投資など地域経済の根幹を握る。住みよい古里をつくろうと先人が頑張ってくれたから今の姿がある。私たちの頑張った記憶が次代につながっていく、そんな地域社会をつくりたい」

【ふじやま・こう】1959年島根県益田市生まれ、在住。広島大大学院修了。島根県中山間地域研究センター研究統括監などを経て現職。専門は中山間地域政策。著書に「田園回帰1%戦略」ほか。

 

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プロフィール

Author:寿
農業情報研究所(WAPIC)=http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/の所長・所員・小使いを兼務。原発事故で「明るい農業・農村」の夢を失った老い先短い老人です。かつての行動派も病魔のために身体不如意、情報提供と批評に徹します。

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