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国連“小農宣言”日本が棄権 政府はどう説明?安倍農政と真逆?米豪忖度?

農業情報研究所20181219日より転載

国連総会が1218日、“農村地域で働く農民及びその他の人々の権利に関する宣言”(Declaration on the Rights of Peasants and Other People Working in Rural Areas)を採択した(UN rights chief welcomes new text to protect rights of peasants and other rural workers,UN News,18.12.18)。この宣言は11月、とりわけ人権問題に関わる第3委員会で193ヵ国中113ヵ国の賛成(反対7ヵ国、棄権49ヵ国)で採択されていたもので、小規模農業生産に従事するすべての人と定義される農民など、漁民、遊牧民、先住民、牧畜民、その他の農業労働者を含む農村労働者の権利保護をめざすものだ。

 宣言が認める権利には十分な食料、土地、水への権利が含まれ、宣言は農村民の文化的アイデンティティや伝統的知識を尊重する必要性、社会保障の提供や農村地域における男女平等の確保の必要性も確認する。それはとりわけ、国の食料安全保障の文脈における土地保有権、漁業、林業の責任あるガバナンスに関する自主的ガイドラインや食料・農業のための植物遺伝資源に関する国際条約などの国際協定にも言及する。

 わが国では“小農宣言”とも呼ばれるこの宣言をめぐる投票で、日本は“棄権”票を投じたという(国連総会で小農宣言採択 日本 投票また棄権 日本農業新聞 18.12.19)。先進国の中でも名だたる小農国の日本が何故“賛成”票を投じることなく“棄権”したのか、日本政府は国民に向かってばかりか、世界に向かっも説明せねばならないだろう。

小農保護はTPP、日欧EPAで農産物市場開放をとことん推し進め、効率化・大規模化で“強い農業”をめざす安倍農政に真っ向から対立するからか?。農民の種子への権利を否定する種子法廃止の精神に反するからか?。それとも、自国内の生産ではなく、輸入による食料安全保障を主張するアメリカやオーストラリア(WTO農業交渉における農業の「多面的機能」 北林寿信 レファレンス 590(2000.3)要旨))などを忖度したのか。“小農宣言”に反対票を投じたのは、オーストラリア、米国、ニュージーランド、ハンガリー、イスラエル、スェーデン、イギリスの7ヵ国だけであった。日本の食料安全保障はTPP、来るべき日米FTAのパートナーである農業大国、気候変動と干ばつで農業生産が先細りの農業大国(気候変動はアメリカ人の健康・安全、生活、経済成長に甚大な影響 米国気候変動アセスメント最新報告オーストラリア米生産 水不足と水価格値上がりで風前の灯  日本への輸出余力は)にお任せということか?

FAOが(FAO hails landmark UN resolution that enshrines rights of peasants and rural workers,FAO,18.12.18)、ヴィア・カンシーナがUNITED NATIONS: Third Committee approves the UN Declaration on the Rights of Peasants and Other People Working in Rural Areas LA VIA CAMPESINA 19 November)、世界中の小農民が呆れ、嗤い、哀れむだろう。

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プロフィール

Author:寿
農業情報研究所(WAPIC)=http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/の所長・所員・小使いを兼務。原発事故で「明るい農業・農村」の夢を失った老い先短い老人です。かつての行動派も病魔のために身体不如意、情報提供と批評に徹します。

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