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核のごみ地層処分「科学的特性マップ」 急ぐべきは原発再稼働を止め、乾式貯蔵の道を探ること

資源エネルギー庁が7月28日、原子力発電に伴って発生する「高レベル放射性廃棄物(核ゴミ)の最終処分場の候補地となり得る地域を示した「科学的特性マップ」を公表した

http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/nuclear/rw/kagakutekitokuseimap/

核ゴミは「将来世代に負担を先送りしないよう、現世代の責任で、地下深くの安定した岩盤に埋設する(=地層処分する)必要」がある。

「この地層処分を実現していくためには、地層処分の仕組みや地域の科学的特性について、一人でも多くの方に関心を持って頂き、理解を深めて頂くことが必要」、

「科学的特性マップ」は、地層処分を行う場所を選ぶ際にどのような科学的特性を考慮する必要があるのか、それらは日本全国にどのように分布しているか、といったことを分かりやすく示すもの」だそうである。

 

ことの経緯について言えば、もともと「科学的有望地」の地図を昨年中に示す予定だった。ところが、「有望地」という表現は政府が候補地を絞り込み、処分場を一方的に押し付けるのではないかという疑念を呼び起こし、国民の強い反発を招く恐れがある。そういう懸念を少しでも和らげるようと編み出されたのが「科学的特性マップ」の概念(表現)だ。

「科学的特性マップは、それによって処分場所を決定するものではありません。処分場所を選んでいくには、原子力発電環境整備機構(NUMO)が処分地選定調査を行い、科学的特性を詳しく調べていく必要があります。

この処分地選定調査をいずれかの地域に受け入れて頂くためには、地層処分に関する広範な国民理解を得るとともに、地域の中でしっかりと検討して頂くことが重要です。

そのため、科学的特性マップの提示を契機に、国とNUMOは、全国各地できめ細かな対話活動を丁寧に進めて行きます」ということだ。

 

しかし、大枚の交付金で顔を引っぱたかれて選定調査に応じるところが現れる可能性はあるとしても、最終的に処分地を引き受けるところが現れるとは思えない。一部マスコミが 最終処分場受け入れに前向きな意向を示したと報じた佐賀県玄海町(玄海原発の地元)の岸本英雄町長も(玄海町長が受け入れ前向き 毎日新聞 17.4.27)、地域反原発団体の抗議を受けて火消しに大わらわだ(玄海町長発言に波紋 5月12日、佐賀市で国説明会「処分場考えたことない」 玄海町長発言に波紋  佐賀新聞 17.4.28)。処分地受け入れを表明する地方首長はたちまち袋叩き、政治生命を失うに違いない。「最後は金目でしょ」とばかり処分地を一方的に押し付けるとしても、このような地層処分が予見できる将来のうちに実現する可能性は限りなく小さい。

 

日本学術会議はとうの昔に、安全性の確保も受け入れ先を見つけるのも難しく、地下深くに埋める現行の処分方針の転換が必要と喝破している(核のごみ「地層処分ムリ」 日本学術会議でも解決見えず 東京新聞 12.6.18)。2015年には原則50年の「乾式(空冷)で、密封・遮蔽機能を持つキャスク(容器)あるいはボールト(ピット)貯蔵技術による地上保管が望ましい」、「最初の30年までを目途に最終処分のための合意形成と適地選定、さらに立地候補地選定を行い、その後20年以内を目途に処分場の建設を行う」と提言、加えて、「原子力発電所の再稼働問題に対する判断は、安全性の確保と地元の了解だけでなく、新たに発生する高レベル放射性廃棄物の保管容量の確保及び暫定保管に関する計画の作成を条件とすべきである。暫定保管に関する計画をあいまいにしたままの再稼働は、将来世代に対する無責任を意味する」と、「将来世代への責任ある行動」を要請している(高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策提言国民的合意形成に向けた暫定保管 2015424日)。

 

今、急ぐべきは最終処分ではない、「使用済み核燃料をこれ以上増やさないこと。そのためにも、原発の再稼働を止め、使用済み核燃料の安全な乾式貯蔵の道を探る」ことだ(絵空事の地層処分を前提に「特性マップ」 どうする“核のゴミ”〜北海道・幌延から 17.7.29)。

                                                                 関連情報

首長「関わりたくない」=核のごみ処分場候補地マップ受け 時事 17.7.29

核ごみ処分場、県「受け入れぬ」不変 岐阜新聞 17.7.29

核ごみ処分、山口知事は慎重姿勢 佐賀新聞 17.7.29

<核のごみ>「復興と処分場、全く相いれない」東北沿岸、適地判断に反発 河北新報 17.7.29







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プロフィール

Author:寿
農業情報研究所(WAPIC)=http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/の所長・所員・小使いを兼務。原発事故で「明るい農業・農村」の夢を失った老い先短い老人です。かつての行動派も病魔のために身体不如意、情報提供と批評に徹します。

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