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原発も森林も―気候変動抑制策―温暖化には勝てない


  ヨーロッパ北部を襲う熱波・干ばつがフランス原発の電力生産に影響を与え始めた。フランス電力(EDF)は23日、タルン--ガロンヌ県(ミディ・ピレネー地域)のゴルフェッシュ原発二基の停止に追い込まれた。19日にサン=タルバン原発(イゼール県)、ビュジェ(アン県)の出力を大きく下げたばかりだ。

 フランスでは58基の原発が稼働中だが、この熱波が続けば他の原発、特にローヌ川沿いに並ぶ14の原発も一両日中に停止に追い込まれる可能性がある。

 Canicule : EDF doit mettre à l’arrêt deux réacteurs nucléaires,Le Monde,19.7.23

 どうしてこんなことになったのか。05年の熱波・干ばつに際して述べたことだが(フランス 猛暑と干ばつで原発操業停止の恐れ 温暖化が原発利用能力を減らす 農業情報研究 05.7.12)、河川水温の上昇を制限する環境規制があるからだ。フランスに多い河川沿いの原発は河川の水を冷却水として利用、冷却のために使用した温排水も河川に放出される。これにより河川水の温度が上昇し、魚の生殖を阻害したり、藻や水生植物の過剰繁茂を促すなど生態系に悪影響を及ぼすのを防ぐための規制だ。激しい熱波と干ばつ(河川水位の低下)で、多くの原発がこの水温規制がクリアできなくなったわけだ。

 こうした原発停止のフランスの電力生産に対する影響は微小(3%程度)とされる。しかし、温暖化が進めば河川水も冷却水としては使えない温水になってしまうかもしれないし、河川の水そのものが枯れてしまうかもしれない。「核エネルギーは地球温暖化を抑えないばかりか、温暖化が核エネルギーの利用能力を減らす。我々の気候問題の皮肉だ」(農業情報研究所、前掲)という警句は依然として生きている。 (海水にたよる日本の原発は安泰?地震、津波、火山、フランスよりずっと怖い

気候変動抑制に大いに貢献するとされる森林自体が気候変動で枯れつつあるのと同然だ。気候変動は、今や原発や森林では手に負えないほどに進んでしまっている。

 

干ばつで枯れた針葉樹林、6月熱波の余波 ドイツ AFPBB 19.7.23

 

干ばつ・熱波の森林への影響(フランス農業・食料省)

Sécheresse et chaleur 2018 : impact sur l’état sanitaire des forêts,Ministère de l’Agriculture, de l’Alimentation,19.7.23