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飼料メーカー 米国コーン追加購入予定なし 首相はトランプ大統領に謝るしかなし?

  農業情報研究所グローバリゼーション農水産物・食料品貿易ニュース:2019年9月23日より転載

安倍首相は米国産飼料用トウモロコシ(コーン)275万トンの追加輸入をトランプ大統領に請け負ったが、東京新聞が主要な飼料メーカーに取材しところ、今のところ追加輸入を予定しているメーカーは一社もなかったそうである。

 大手国内飼料メーカーの担当者は「新規の購入分だけ消費されればよいが、そんな需要が果たしてあるか」と疑問を呈し、JA全農の担当者は「米国産トウモロコシは食害に遭う国内産と用途が異なり、直接代替できない」と言っているとのことだ。

 米中摩擦で余ったトウモロコシ「肩代わり」日本企業 購入予定「ゼロ」 東京新聞 19.9.23

 当然の話だ。首相は追加購入の理由として今年国内で初確認された害虫・ツマジロクサヨトウの被害による「飼料用トウモロコシ」の減産をあげている。しかし、米国から輸入される飼料用子実トウモロコシの国産飼料用トウモロコシ(青刈りトウモロコシ、トウモロコシ茎葉)とは、飼料としては代替がきかない全くの別物だ。青刈りトウモロコシの被害を埋め合わせる子実トウモロコシの量が何トンになるかなど計算のしようがない。

前にも書いたが(日米首脳 トウモロコシ追加輸入で合意の報 そんなトウモロコシ、誰が消費する?,19.8.26)、敢えて青刈りトウモロコシの“飼料価値”を子実トウモロコシの半分程度と仮定してみよう。子実トウモロコシ275万トンに相当する被害量は275×2550万トンだ。ところで、昨年の青刈りトウモロコシ生産量は450万トン(平成30年産作物統計(普通作物・飼料作物・工芸農作物)だから、それが全滅しても子実トウモロコシ換算275万トンの被害にはならない。

「新規の購入分だけ消費されればよいが、そんな需要が果たしてあるか」と疑うのが当然だ。売れないものを買う民間企業はない。安倍首相、一体どうするつもりだろう。トランプ大統領と米国コーンベルト農民に頭を下げるしかないだろう。(それとも、税金で購入して大阪湾に放流?)  

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コーンベルト、はじけぬ期待米中西部トウモロコシ農家 米中摩擦で価格下落(核心) 東京新聞 19.9.23 朝刊2