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漁家も大変だが、最適環境を求めて泳ぎ回る魚はもっと大変かもしれない

秋サケ 盛漁期に失速 今季の県内、歴史的不漁の懸念 岩手日報 19.12.5

 

 最盛期にあるはずの県内秋サケ漁が深刻な状況だ。県の11月末現在の漁獲速報によると、漁獲量は海と河川を合わせて1090トンで、前年同期のわずか18・7%。序盤の10月末現在(23・4%)からさらに失速した。高い海水温がサケの回帰を妨げているとみられる。今シーズンはふ化放流事業が本格化する前の1978年度(7879トン)を下回り、歴史的不漁に終わる懸念が増している。

 例年の盛漁期は11月下旬から12月上旬。県によると、放流後の春ごろの海水温が高く、稚魚が減耗して回帰率低下に影響。さらに、今季は海水温が下がらず回帰したサケが本県沿岸に近づきづらい状況が続く。サケ研究の第一人者、帰山雅秀・北海道大名誉教授(70)は「長期的に見ると海水温は高くなる傾向にあり、将来的にサケが増える可能性は低いだろう。地球温暖化を止めるほかない」とみる。

地方点描:初漁の場所[男鹿支局] 秋田魁 19.12.7

 先月26日朝、男鹿市の北浦漁港で季節ハタハタ漁の試験操業を取材していたところ、近くにいた漁業関係者の携帯電話が鳴った。「双六で揚がったらしい」。周囲の漁業者からは驚きの声と「負けたか」というつぶやきが出た。
 双六漁港は男鹿半島北部の北浦とはほぼ反対側に位置する。この日は双六、門前など「南磯」と呼ばれる地域の漁港で計約570キロの季節ハタハタが水揚げされて競りにかけられ、これが今季の県内の初漁となった。
 双六、門前漁港とも船川港や北浦漁港に比べると規模は小さく、季節ハタハタ漁の小型定置網は一つか二つしか設置していない。船川港のある漁業者は「こっちに全然入らず、南磯だけで水揚げがあるなんてかなり珍しい。今年の、いや、今年もハタハタは変だ」と話した。
 初漁の場所に限らず、ここ数年の季節ハタハタ漁では異変を指摘する声をよく聞く。男鹿よりも先に県内他地域に接岸するケースが増えている、大きな群れの接岸が少ない、漁場の偏りが目立つ―。原因については海水温や潮流の変化など、さまざまな臆測が飛び交っている。
 臆測に明確な根拠はないが、何か理由を見つけなければ気が済まないほど、近年の漁獲量減少に漁業者が打撃を受けているということだろう。
 本県沖で計画されている洋上風力発電事業に対しても「群れが来なくなるのではないか」という不安は根強い。季節ハタハタ漁は沿岸に来る群れを取る「待ちの漁業」だ。漁業者が海洋環境の変化に敏感になるのは当然だと感じる。

ハタハタまだ 船川港、漁獲量10キロ以下で漁業者に焦り 秋田魁 19.12.7

https://www.sakigake.jp/images/spacer.gif 秋田県男鹿市の船川港で季節ハタハタ漁のまとまった水揚げがない状況が続いている。県漁業協同組合船川支所によると6日現在、船川港の漁獲量は10キロ以下。羽立、脇本など周辺の漁港でも水揚げはほとんどない。県内では先月26日に初漁を迎え、これまでに漁獲量が10トンを超えた地域もある中、船川の漁業者は焦りを募らせている。
 県水産振興センター(同市)によると、5日時点で同センターが把握している県内の季節ハタハタ漁獲量は県北部(能代山本地域)約44トン、男鹿北(男鹿市北浦など)約36トン、男鹿南(同市船川など)約1・6トン、県南部(秋田市・本荘由利地域)約6トン。船川港を含む男鹿南は、大半が船川港より西側の南磯地区の水揚げとなっている。
 昨季の季節ハタハタ漁の最終的な漁獲量は県北部86トン、男鹿北77トン、男鹿南20トン、県南部104トンで、男鹿南は漁獲枠の23%にとどまった。
 船川港では先月20日すぎから漁業者が順次、小型定置網を仕掛けて季節ハタハタ漁を始めた。初めはアジなど他の魚が目立ち、漁業者たちは「まだ水温が高い。もう少しの辛抱だ」と話していた。
 同26日に南磯地区で計約570キロが水揚げされ、椿漁港で競りにかけられた。これが今季の県内初漁で、昨年より7日早く2010年以降で最も早かった。その後、県北部や北浦でまとまった水揚げが数日続き、1日に10トンを超す漁獲量となった日もあった。
 一方、船川港や隣接する羽立漁港は一つの網に数十匹という日が続いている。小型の雄や産卵を終えた雌が交じり、漁協に出荷できる量を一度も確保できていない漁業者もいる。
 今月3日からのしけで「群れが接岸するのではないか」と期待する声が多かったが、6日朝もまとまった水揚げはなかった。通常は季節ハタハタ漁の終盤に網にかかるというホテイウオ(通称ゴンコ)の姿もあり、漁業者からは「まさかもう終わりなのか」といった声が上がっていた。
 「魁(さきがけ)丸」船長の平野太刀矢(たちや)さん(81)は「この先群れが来るのか来ないのか、全く見当がつかない。来週中に来なければ今年の船川は駄目だろう」と話した。
 県水産振興センターの担当者は「今季は初漁が早く、例年であれば今の時期から漁が本格化する。現段階では群れが北側に寄っているとは明確に言えず、船川港も今後の接岸に期待したい」としている。

サンマ水揚げ量史上最低の通し 昨年比68% 北海道新聞 19.12.6

<水産サバイバル 激変する道東漁業>3 マイワシ豊漁 新たな主力 普及へ一歩 北海道新聞 19.12.6

<水産サバイバル 激変する道東漁業>1 サンマ凶漁の衝撃 魚体、魚群「いつもと違う」 北海道新聞 19.12.3

 道東沖のサンマ漁が終盤を迎えた11月中旬の根室市・花咲港。広尾漁協(十勝管内広尾町)所属の小型船「第151関丸」(19トン)の漁労長(64)が、ため息交じりにつぶやいた。「11月に入って漁場が近づき、ようやく日帰り操業(一晩漁獲して朝に水揚げする操業)を始めたが、例年より1カ月以上遅い。旬の時期が過ぎて価格が下がってから取れても遅い」

■過去最低下回る

 今年のサンマ棒受け網漁は8月から9月にかけて、例年のロシア200カイリ水域や道東沖に魚群が見当たらず、北太平洋公海での操業を強いられた。漁獲があっても魚体はやせていて、この期間は特に不振を極めた。漁場が近づき水揚げが本格化したのは10月中旬になってからだが、例年通りの11月下旬でほぼ終漁。11月30日現在の道内の水揚げ量は1万9794トン(速報値)で前年同期比61%減。詳細な記録が残る1972年以降で最低だった2017年を下回った。不漁よりひどい「凶漁」といえる結果だった。

 漁期序盤、漁業者の間では公海で漁獲したサンマについて「いつもと違うものを取っているのではないか」とささやかれていた。それは単なる脂の乗りの悪さではなく、魚体の細さに対する違和感だった。漁業情報サービスセンター(東京)漁海況部の渡辺一功(かずよし)副部長も今季を振り返り「これまでと動き方の違うサンマを取っていた可能性がある」と推測する。

■餌環境悪化懸念

 例年、主に漁獲するのは冬に本州南部沖で産卵した後、ふ化した魚群が日本に近い海域を北上しながら餌を食べて太り、秋の早い時期に日本近海に近づきながら南下するサンマだ。今年はこのコースをたどる魚群が見当たらず、漁場は千キロ以上沖の公海だった。

 渡辺氏は「遠い沖合で春にふ化した別の魚群を漁獲していたのではないか」と指摘する。この魚群ならば産卵の時期が遅く、餌を食べて太り始める時期や南下のタイミングが遅い。漁期の序盤に魚群が見当たらず、魚体が細かった状況と合致するというのだ。

 さらに沖合を回遊するサンマの魚体に関しては餌環境の悪化も懸念されている。水産研究・教育機構東北区水産研究所の宮本洋臣(ひろおみ)研究員は「東経160~180度の公海の海域で、サンマを太らせるプランクトンが少なくなっている」と話す。同機構が行う北太平洋での調査では近年、サンマの餌となるオキアミ類やカイアシ類など脂肪分の多いプランクトンの減少が顕著になっているという。

 日本に近い本来のコースをたどるサンマの資源が減少し、沖合のサンマを求めても魚群が薄く、魚体も細いものが多い。凶漁の背景にはサンマ自体とそれを取り巻く北太平洋の海洋環境の変化が影響しているとの見方が強まっている。

 日本近海への魚群の来遊が遅れたことで漁業は少なからず打撃を受けた。特に小型船は高値がつく漁の「はしり」の時期に稼ぐ必要があるが、今年は出漁できない日が続いた。9月には公海に出向いた漁船が転覆し1人が死亡、7人が行方不明になる事故が起きた。渡辺氏は「サンマの生態や減少のメカニズムを調べ、資源量を増やすことを考えなければ漁期前半に苦しむ状況が続く」と強調する。

 資源の急な回復は望めず、来年の漁模様も見通せない。根室市の船主は「こんな状態が続けば廃業する船が出てくる。頼みのサンマが取れないままでは、道東の漁業は衰退しかねない」と懸念している。(村上辰徳)

漁不振の八戸前沖さば、22日分からブランド認証 過去最も遅く 河北新報 19.11.30

 青森県八戸市の「八戸前沖さばブランド推進協議会」は29日、八戸港に22日以降に水揚げされたマサバのみを今季の「八戸前沖さば」にブランド認証すると発表した。協議会が認定を始めた2007年以降で最も認証開始が遅かった昨年(10月15日)より1カ月以上も遅れ、記録を大幅に更新した。
 協議会はスーパーや飲食店、漁業の関係者らで組織。三陸以北で取れて八戸港に水揚げされるサバに関し、漁獲量や粗脂肪分などからブランドとなる八戸前沖さばの認証期間を決める。今季は重さ550グラム以上の大型サバを「八戸前沖銀鯖(ぎんさば)」とする。
 八戸港では例年、10月までにサバの盛期に入る。これまでは8~10月にブランド認証期間に入っていた。
 ただ、今年は漁が不振で、市水産事務所によると、1~10月の水揚げ量は2357トンで昨年の約2割に激減。11月22日以降、ようやく2000トン前後の水揚げが続き、28日現在で1万1588トンまで盛り返した。
 八戸港へのサバの水揚げは12月でほぼ終わる。協議会の横町俊明会長は「11月に入った当初もまとまった水揚げ量がなく、認定できないとも思っていた。今後の大漁に期待して短期決戦でPRしたい」と話した。

「呼子のイカ」漁獲量減少 天候不順、海況変化…複合的要因か 佐賀新聞 19.11.28

 全国的にイカの不漁が取り沙汰される中、玄界灘で春から秋にかけて「呼子のイカ」として流通するケンサキイカの佐賀県内漁獲量が減っている。1988年以降、ピーク時は年間2千トンを超えたが、減少傾向が続き2017年には306トンと5分の1以下になり、今年はさらに減少すると研究機関が予測している。唐津市呼子町のイカ料理店をはじめ県内各店でも品薄感が出ており、天候不順や海の環境変化など複合的な要因を指摘する声がある。

 水産研究・教育機構などがまとめた資源評価によると、県内漁業者によるケンサキイカの年間推計漁獲量は1992年の2007トンをピークに減少傾向が続き、99年以降は1千トンを下回るようになった。近年はさらに減少が顕著で、2014年に過去最低の291トンになり、17年も306トンと同水準だった。

 18、19年の漁獲量はまだ公表されていないが、県玄海水産振興センターは「18年は過去最低レベルになる見込みで、19年はさらに下回る」とみている。不漁は全国的な傾向で、ピーク時の92年に1万8990トンだった漁獲量は、17年は7009トンに減っている。

 唐津上場商工会会長で、呼子町で活魚料理店を経営する古賀和裕さん(63)は漁獲量の減少を実感している。沿岸でアコウやアラ、沖ではブリやヒラス、マグロが増えてイカを補食するなど「海中の環境が変わってきている」と指摘する。今年は10月中旬から台風やしけなどで漁業者が海に出ることができない日も続いた。「この仕事を40年やっているが、そんな日が40日続くことはなかった」と話す。

 古賀さんの店は、培ってきた流通ルートで何とか入荷し、提供しているが「イカは単なる水産資源でなく、呼子の大事な観光資源。地域のためにも今後は資源として管理が必要になるのでは」と警鐘を鳴らす。

 80年頃までは年間を通して捕れていたというケンサキイカの現在の漁期は主に5月から10月上旬まで。10月はアオリイカに移行する時期で、これと重なったこともイカの流通量が減った一因とみられている。

 鮮魚店や飲食店の関係者の表情はさえない。神埼市の鮮魚店の江口憲保さん(42)は「既に盆明けから島根県産の冷凍イカしか手に入らないようになった」と話す。10月からはこれも品薄になり「外国産の冷凍イカを初めて扱った」と明かす。佐賀市の「いけす海幸」の中尾昌信さん(56)は「11月から店のいけすにイカが泳いでない。提供できず、お客さんが帰ることもある」と話す。

 県は漁獲量アップを目指し、九州大学や関係各県と情報通信技術を活用した海況の予測システムを開発し、来年度から漁業者に提供する。

スルメイカがとれない外国船乱獲? 産卵域の海水温低下? 近海の高温? 資源量減少?(特報) 東京新聞 19.11.27

イカ、記録的不漁に 漁獲量過去最低ペース 日本経済新聞 19.11.14

シラス秋漁に台風打撃 長引く黒潮変化に追い打ち、3年連続低迷 静岡新聞 19.11.13

静岡県内主要6漁港のシラス総漁獲量静岡県内主要6漁港のシラス総漁獲量

 全国有数の産地として知られる静岡県内のシラス漁で不漁が続いている。潮の流れが大きく変わる黒潮大蛇行が発生した2017年度以降、漁獲量は大幅に落ち込み、今年は秋漁最盛期の10月に相次いだ台風の上陸や接近が追い打ちを掛けた。長引く海況異変と度重なる荒天で、3年連続の水揚げ低迷が確実な情勢になっている。
 県内のシラス漁期は3月21日から翌年1月14日まで。このうち4~6月の春漁と9~11月の秋漁の年2回、盛期を迎える。県水産技術研究所(焼津市)によると、19年度漁期の主要6漁港(舞阪、新居、福田、御前崎、吉田、用宗)の総漁獲量は10月20日時点で4413・2トン。不振だった前年同期をさらに7・6%下回っている。
 特に10月1~20日の水揚げは73・5トンで、前年同期間の4分の1に落ち込んだ。県内最多の水揚げを誇る浜名漁協(浜松市西区)の河合和弘組合長は「例年は10月中旬に秋漁の最盛期を迎えるが、強風や高波で出漁できない日が続いた」と嘆く。県中部の仲買業者は「量が少ない上、色が真っ白で食感のよい高品質のシラスは特に品薄」と打ち明ける。
 16年度漁期まで年8千トン前後で推移してきた6漁港の総漁獲量は17年度漁期が4557トン、18年度漁期が5306トンと2年連続で低調だった。19年度漁は年明けまで続くが、水温が低くなる11月上旬以降は水揚げが減るため、大幅な回復は難しいとみられる。
 不漁の原因は不明だが、近年と同じように黒潮大蛇行が発生した04年度漁期も6漁港の総漁獲量は過去最低の2400トンに落ち込んだ。県水産技術研究所の高田伸二研究員は「シラスに限らず、水産資源の増減にはさまざまな要因が絡み合っている。親となるマイワシやカタクチイワシの資源量、海況変化などを複合的に調べたい」と話している。

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<参考>

Oceans losing oxygen at unprecedented rate, experts warn,The Guardian,19.12.7

Oxygen in the oceans is being lost at an unprecedented rate, with “dead zones” proliferating and hundreds more areas showing oxygen dangerously depleted, as a result of the climate emergency and intensive farming, experts have warned.

Sharks, tuna, marlin and other large fish species were at particular risk, scientists said, with many vital ecosystems in danger of collapse. Dead zones – where oxygen is effectively absent – have quadrupled in extent in the last half-century, and there are also at least 700 areas where oxygen is at dangerously low levels, up from 45 when research was undertaken in the 1960s.

Climate change: Oceans running out of oxygen as temperatures rise,BBC,12.7

Warming Waters, Moving Fish: How Climate Change Is Reshaping Iceland,Theb New York Times,19.12.2

Different species of fish evolved to live in specific water temperatures, with some fish like sea bass requiring the temperate ocean climates like those found off the mid-Atlantic region of the United States, and tropical fish like the Spanish hogfish preferring warmer waters such as those in the Caribbean. But these days, fishermen are finding sea bass in Maine and the Spanish hog fish in North Carolina. And as the fish flee they are leaving some areas, like parts of the tropics, stripped of fish entirely.

Climate change is reshaping communities of ocean organisms,Science Daily,19.11.25

Rutgers University. "Climate change is reshaping communities of ocean organisms: Warm-water species are rapidly increasing and cold-water species are decreasing."

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プロフィール

Author:寿
農業情報研究所(WAPIC)=http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/の所長・所員・小使いを兼務。原発事故で「明るい農業・農村」の夢を失った老い先短い老人です。かつての行動派も病魔のために身体不如意、情報提供と批評に徹します。

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