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米国抜きTPP=CPTTP大筋合意 TPPは死にました(15日追記)

 日本政府が、米国を除く 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定参加11ヵ国が米国抜きの“TPP11”協定に“大筋合意”したと発表しました。11日のベトナム・ダノンで発せられたTPP閣僚宣言(Trans-Pacific Partnership Ministerial Statement)中の“they have agreed on the core elements of the Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership (CPTPP)”(CPTPP核心要素に合意した)という英文を“大筋合意”と言い換えたものです。これを大筋合意と呼ぶことにも問題がありますが(「大筋合意」で成果演出TPP新協定 東京新聞 17.11.14)、それ以上に問題なのは、この発表が安倍首相や日本の多くの関係者に“TPP”も未だ捨てたものではないと思わせたことです。

 この発表を受け、安倍首相は「「(日本の)成長戦略にとって極めて重要。大きな一歩になった」と言ったそうです(安倍首相「大きな一歩」=TPP11大筋合意 時事 17.11.11)。何に向けての「大きな一歩」なのかは知りませんが、恐らくTPP復活に向けての一歩ということなのでしょう。

 新聞も、「世界最大の経済大国である米国のTPP離脱により、自由貿易圏としての規模は縮み、経済効果も小さくなる。それでも11カ国による協定締結の意義は大きい。

 第1に、新協定は関税の撤廃だけでなく、きわめて質の高い貿易・投資ルールを定めている・・・TPP11は質の高いアジア太平洋の自由貿易圏づくりにむけた大きな礎である」などと持ち上げています(社説:TPP11を礎に質高い自由貿易圏つくれ 日本経済新聞 17.11.11)。

 しかし、CPTPPとは実のところ、「モノの関税だけでなく、サービス、投資の自由化を進め、さらには知的財産、電子商取引、国有企業の規律、環境など、幅広い分野で21世紀型のルールを構築する経済連携協定」であるTPPTPP等政府対策本部)とは似てもつかない「極めて質の低い」協定です。

 サービス、投資(ISDS)、電気通信、内国民待遇、特許、生物製剤メーカー保護期間、著作権保護期間、技術的保護手段、国有企業、労働、文化政策等々にかかわるTPPの多くの“Core”規定を停止または凍結してしまいました(停止(凍結)される規定のリストIt's the Trans-Pacific Partnership with fewer bad bits,Sydney Morning Herald,17.11.12)

 米国がTPPに復帰すればこれらの規程が復活する可能性はありますが、その可能性は、今のところ限りなく小さいようです。TPPは死んだと言うべきでしょう。

 追記(11月15日):安倍晋三首相が、14日夜、訪問先のマニラで記者会見、TPP11の大筋合意を「大きな前進だ」と評価、「公正なルールに基づく自由貿易体制、まさに21世紀型の世界の経済秩序づくりに大きな一歩を踏み出した」と力説したそうである(首相「TPP発効へ議論主導」 日中関係「新段階に」 日本経済新聞 17.11.15)。

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Author:寿
農業情報研究所(WAPIC)=http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/の所長・所員・小使いを兼務

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