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手抜き除染袋置き場 環境省 空間・地下水線量「異常」なしの証拠を示せ

農業情報研究所18.1.6より転載

正月早々、東京新聞が福島県における除染作業で手抜きが横行していると暴露した。飯舘村で実施された除染事業で二〇一五年十月、汚染土壌を詰めた二重構造の除染袋(フレコンバッグ)のうち、防水機能のある内袋が閉められていないものが千袋見つかっていた。雨水などが浸入し、汚染水として漏れる恐れがある。扱った特定業者のみの手抜きとされ、千袋を詰め直したが、当時の作業員は手抜きは他業者もやっていたと証言した。未発見の手抜きフレコンが今も大量に放置されている可能性があると報じた(福島除染「手抜き」 汚染土詰めた二重袋の内袋を閉めず 1000袋発見 東京新聞 18.1.1)。

 果たしてその後の東京新聞の調査や元作業員らの証言で、同様の手抜きフレコンが村の他の現場や、南相馬・浪江など福島県内の別の自治体でも発生していることが分った。「一部では汚染された疑いのある雨水が外に漏れているのを確認」したという(除染手抜き 飯舘以外でも 元作業員証言 南相馬、浪江など 東京新聞 18.1.3)。

 「早期の帰還を願う住民」の期待を裏切るこのような手抜き除染、所管する環境省も事の重大性に漸く気がついたらしい。中川雅治環境相は五日の閣議後記者会見で、「極めて遺憾。地元の皆さまの信頼、理解を損なうことになる」と述べた。環境省は本紙取材を受けて、大成を含む全元請け事業者に文書を送付。除染現場でフレコンの内袋が閉められているかの確認を徹底し、状況に応じて防水シートを使用するなど雨水対策を強化するよう求めたという。

 ところが中川氏、既に除染現場から仮置き場に移送・保管されているフレコンは「膨大な量があり、すべて開けて(内袋を)確認するのは物理的に不可能。かえって袋の中の土壌などを飛散させてしまう恐れがある」、「仮置き場で定期的にチェックしている空間線量や地下水線量で異常値は出ていない」と開き直った(除染手抜き 内袋閉め徹底を指示環境相、全元請けに文書指導 東京新聞 18.1.6)。

 「地元の皆さまの信頼、理解」を得るためだけでなく、政府が掲げる世界と全国の「風評払拭戦略」(福島の空間放射線量 全国・海外主要都市と同水準 人を欺く政府風評払拭「戦略」)の成就のためにも、「すべて開けて(内袋を)確認」すべきだろう。物理的にチェック不能というほどの量のフレコンの環境影響を無視すことはできない。とすれば、「異常値は出ていない」という「仮置き場で定期的にチェックしている空間線量や地下水線量」を示す時点・地点ごとの測定データを、「異常値」の定義とともに全面公開すべきだろう。

 中川氏、「実はろくろく調査していない」とか、地元の皆さまの不安と風評を助長する恐れがあるそんなことは「不可能」とか言うのだろうか。だとすれば、「風評払拭戦略」は既に破綻している。

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Author:寿
農業情報研究所(WAPIC)=http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/の所長・所員・小使いを兼務。原発事故で「明るい農業・農村」の夢を失った老い先短い老人です。

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原発は核廃棄物の安全な処分方法の確立を待たずに見切り発車すれば破滅的災厄をもたらす(フレッド・ホイル)。事故だけではない、原発そのものが問題です。

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