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復興相 故郷を捨てられては政府が困る 困るのは避難者の方だ

今村復興大臣が12日のNHK日曜討論で、原発事故による高濃度放射能汚染(放射線量が年50ミリシーベルト以上)で立ち入りが原則禁止されている「帰還困難地域」内に僅かばかりの住民が居住する「特定復興再生拠点区域」を整備する事業について、「時間との勝負でもある。避難先で生活ができている、家を建てる人もいる。子どもの学校のこともある」、「ふるさとを取り戻してもらいたいという施策の一環だ。ふるさとを捨てるというのは簡単だが、戻ってとにかく頑張っていくんだという気持ちをしっかり持ってもらいたい」と言っている。


帰還困難区域 復興相“帰還しやすい環境整備を急ぐ” NHK News 17.3.12

 

放射能の脅威に追われてやむを得ず「避難」した人々に対して、「簡単に」ふるさとを捨ててもらっては困る、避難先で定住する道を選んでもらっては困る、避難者に自身最善と思う道を選ばれたのでは政府が困る、被災地の復興に責任を負うと自負する政府の顔に泥が塗られるからだ、そう言っているようだ。

 

しかし、そんなことを言われて困るのは避難者の方だ。原発事故から6年、不安定な避難生活は既に限界に達している(避難者、孤立深めるPTSDの恐れ急増46% 東京新聞 17.3.13)。7市町村にまたがる帰還困難区域の面積にしてわずか5%ほどの「特定復興再生拠点区域」の整備事業が完了するのは早くて2022年、拠点区域外での居住が可能になる時期は「目途」(安倍首相は「もくと」と読むらしい)も立たない。「時間との勝負」の決着はもうついている。避難者があと5年以上待てるはずがない。

 

「除染も完了、インフラも整いました、さあお戻りください」と言うときには、ほとんどの避難民は既に他所に定住、拠点区域にやってくるのは新参者ばかりだろう。やがては、昔、この辺りに福島第一原発とかいうのがあったそうだと話す人々の定住地になるだろう。

 

311日の「東日本大震災六周年追悼式」で安倍首相は「復興の進展に応じた切れ目のない支援に力を注ぐ」と述べた。政府が今緊急になすべきこと、それは「拠点区域」整備ではない。全国に散らばる避難者、避難指示解除とともにますます増える自主避難者に対する、定住化支援を含む新たな支援の構築である(自主避難者 実態に応じ支援継続を(社説) 信濃毎日新聞 17.3.13)。

政府は一刻も早く新たな避難者支援法を! この趣旨に賛同の方は拍手を。政府の反省を促すために。

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Author:寿
農業情報研究所(WAPIC)=http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/の所長・所員・小使いを兼務

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