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春日山「原始林」でナラ枯れ蔓延 これも「里山放置」が原因とは???

 国特別天然記念物で世界遺産の「春日山原始林」(奈良市)で、ミズナラやコナラなど主にナラ類の樹木が枯れる「ナラ枯れ」の被害が広がっているそうである。

 これを伝える報道は、被害が拡大した要因は「里山の荒廃」、ナラ枯れを引き起こす昆虫「カシノナガキクイムシ」(カシナガ)は、直径10センチ以下の木では繁殖しにくく、太く育った大木を好む。奈良県内ではかつて、ナラ類は炭や薪、シイタケの原木としてこまめに伐採、利用されたが、木材価格の低下などで放置される森林が増え、大木が残ったままになっていると、決して疑問なないわけではない森林総研・黒田慶子氏が唱える「里山放置」説(「温暖化の議論をしてもナラ枯れ対策は進まない」 里山放置説への疑念, 農業情報研究所 2010118日)を無批判に受け売りしている。

 

世界遺産「春日山原始林」もピンチ…奈良県で昨年のナラ枯れ被害、全国最大規模に 産経 WEST 17.3.18


 おかしな話ではないか。「古来春日大社の神山として信仰の場であったため、ほとんど斧を入れず9世紀頃 には禁伐令が出されるなど積極的な保護がなされて原始性を保ってきました」。「春日山原始林は、厳密な意味での原始林ではなく、16世紀には豊臣秀吉による約1万本のスギ 植栽 や歴史上数回に亘る台風災害により、壊滅的な被害を受け早期回復を図るため、在来種に より補植するなど、或る程度人工の手が加えられてきた経緯があります」(春日山原始林 奈良県)とはいうものの、「炭や薪、シイタケの原木としてこまめに伐採、利用」されてきたとは言えないだろう。

 それなのに「炭や薪、シイタケの原木としてこまめに伐採、利用」されなくなったのが原因というなら、ナラ枯れはずっと昔からあったはず、どうして今ごろになって急増したのか、さっぱり分からない。記者さん、お教え願えますか。今や「一億総記者になる時代」(原発事故集団訴訟前橋地裁判決 問われるべきは国・東電だけではない マスコミも同罪ではないか )とはいえ、職業的ジャーナリストの影響力は、ときに学者以上に大きい。その社会的責任を自覚すべきである。

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寿

Author:寿
農業情報研究所(WAPIC)=http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/の所長・所員・小使いを兼務

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