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東海第二周辺自治体協定 住民無視、再稼働同意権を首長と議会に拡大しただけ

 既報のとおり、原電と東海第二原発30キロ圏内自治体が、第二原発の再稼動の当たっては原電がこれら市町村各々の事前了解(同意)を得ることを明記した新協定を結んだ。これについて喜んでばかりはいられない、周辺自治体の同意を確保するための札束攻勢も既に始まっているとも書いた(どちらも素直に喜べぬ 再稼働同意30キロ圏に拡大 再生可能エネルギー主力化原発再稼働 周辺自治体の同意を得やすくする工作が始まっている)。

これは決して杞憂ではないだろう。今日新たに明らかにされたところによると、新協定も、「実質的な事前了解」というように文言にあいまいさを残しているだけでなく、再稼働への「拒否権」を手にした6市村の対応はバラバラ、首長が判断に際して住民の声を聴くとしているのは那珂市のみという。那珂市の海野徹市長は、「具体的な再稼働の話が出たときには、住民投票とか、住民の意見を聞いて反映しなければいけない。行政と議会だけでは決められない」と言っている。

しかし、他の5市村はアンケートなどによる住民意思の確認には消極的だ。ひたちなか市の本間源基(もとき)市長は「住民投票をやる気はさらさらない。議会に諮りながら判断せざるを得ない」、水戸市の高橋靖市長は学識関係者や市民でつくる有識者会議の見解を参考にする考え、日立、常陸太田市は「未定」という。

茨城大人文社会科学部の渋谷敦司教授(社会学)は、新協定は「首長と議会に再稼働への『同意権』を拡大しただけで、住民の思いが無視される危険性がある」と言っているそうである。

東海第二再稼働 「住民意向の反映重要」首長懇 生みの親・村上前村長がみた新協定(茨城) 東京新聞 18.4.16

とすると、原電や国は首長と議員さえ抱き込めばいいことになる。最後はカネメ、簡単なことだ。事故は起きなくても、首長や議員(の大半)が、規制委の審査を通った原発の安全性に異を唱えるなどありそうにない。

東海第二の使用済み核燃料一時保管プールはあと2年半で満杯になる(下表参照)、中間貯蔵施設(むつ市)は何時完成するか分らない、最終処分場は永遠に決まらないだろう、「地震の巣窟」(核のごみ最終処分地、「好ましい特性」地域は地震の巣窟か?今朝の地震で改めて思う 時評日日 17.8,2)の住民は夜も寝られぬ。しかし、首長や議員に言わせれば、住民のそんな心配は無用だ、宇宙エレンベーターで太陽に向かって運べばいいでチョンだ(核のごみは宇宙エレベーターで 大間の宝 原発関係主要ニュース:2018年1月24)。ところで、宇宙エレベーターはあと2年半でできるんだろうか(知ったことか―埼玉県議会議員)。

「原発は核廃棄物の安全な処分方法の確立を待たずに見切り発車すれば破滅的災厄をもたらす(フレッド・ホイル)」(日本学術会議が核のゴミで提言 もはや処置なしとなぜ言わぬ 農業情報研究所 12.9.12)。それでも再稼働、日本列島にはそんな破滅的災厄が刻一刻迫っているというのに、だ。

原発使用済み核燃料一時保管も手いっぱい(核心) 東京新聞 18.4.16 朝刊 2面より)


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プロフィール

Author:寿
農業情報研究所(WAPIC)=http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/の所長・所員・小使いを兼務。原発事故で「明るい農業・農村」の夢を失った老い先短い老人です。

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