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トランプ時代の米国環境保護庁新長官の初仕事 殺虫剤・クロルピリホスの農業用使用禁止はやめた

農業情報研究所 201746日より転載

環境規制反対の急先鋒であったスコット・プルイット氏がトランプ大統領下の初代米国環境保護庁(EPA)長官就任して1ヵ月、早速、農業におけるクロルピリホス使用禁止を求める請願を拒絶した(EPA Administrator Pruitt Denies Petition to Ban Widely Used Pesticide,EPA,17.3.29)。

クロルピリホスとは農薬としての用途のほか、シロアリ駆除など住宅用防虫剤としての用途をもつ有機リン系殺虫剤である。EPAは子どもの脳にダメージを与えるなど、強い神経毒性を認め、2001年以来、住宅用使用を禁止してきた。

さらに201510月、農業労働者や農場周囲の人々を農薬中毒するとして、農業用途の使用の禁止を提案した。米国農薬行動ネットワーク(PAN)と自然資源防衛協議会(NRDC)の提訴を受けて一定期限内に行動を取るように命じた控訴裁判所の決定に対応したものである(EPA Moves to Ban Dangerous Pesticide Chlorpyrifos,PAN,15.10.30)。

ところが、気候変動抑止などオバマ時代の環境対策を敵視するトランプ大統領が就任するや否や、この農薬規制案もあっと言う間に反故にしてしまったのである。

新長官は、「われわれは、人間の健康と環境を保護しつつ、クロルピリホスに頼る何万ものアメリカ農場に対する規制も安定化させる。世界で最も広く使われている農薬の一つを禁止する以前の行政の手段を覆すことで、健全な科学に基づく決定立ち返る」のだと言う。

農務省の病害虫管理局長も、「これは証拠と科学に基づく歓迎すべき決定だ、これはこの重要な病虫害管理手段を将来も生産者が利用でき、わが国と世界に対する大量で安価な食品供給が確保されることを意味する」と大歓迎だ。

アメリカ農業界も、この決定をこぞって歓迎している(Agriculture Community Reacts to Recent EPA Action,USEPA,17.4.5)。

ただし、「人間の健康と環境の保護」は保障されない。そのことはEPA自身のアセスメントが保障している(Biological Evaluation Chapters for Chlorpyrifos ESA AssessmentRevised Human Health Risk Assessment on ChlorpyrifosEPA Revised Chlorpyrifos Assessment Shows Risk to Workers)。

関連ニュース

Advocacy Groups Ask for Ban on Common Pesticide,The New York Times,17.4.6

 Advocacy organizations seeking to ban a pesticide linked to developmental disorders in children asked the courts Wednesday to intervene and order the Environmental Protection Agency to ban the pesticide from food within 30 days and from all uses within 60 days if it cannot prove it is safe.・・・・・・

An E.P.A. report issued last November concluded the risks justified a complete ban on chlorpyrifos, citing studies on pregnant women and children done at Columbia University that found evidence of neurodevelopmental effects in children whose mothers were exposed to chlorpyrifos in pregnancy.









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Author:寿
農業情報研究所(WAPIC)=http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/の所長・所員・小使いを兼務

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