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大川小津波訴訟 石巻市上告は何のため 判決は東日本大震災津波を予見しろとは言っていない

  石巻市(長)が7日、「東日本大震災の津波」で死亡・行方不明になった大川小の児童23人の19遺族が市と宮城県に約23億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審で学校幹部と市教委の組織的な過失を認めた仙台高裁判決を不服とし、上告する方針を決めた。市長は「(判決の)予見可能という推認は科学的根拠を欠いている。科学的知見について、校長らが高度な知識を有する必要があるとの判断も無理があるのではないか」、「事前に東日本大震災を本当に予見できたのだろうか。皆さんにも聞きたい。われわれには想定できなかった大災害だ」などと息巻いている。主な上告理由は、「東日本大震災は想定外だった」ということだそうである。

 <大川小訴訟>石巻市上告の方針 判決「科学的根拠を欠く」 河北新報 18.5.7

 <大川小訴訟>判決解釈広がる解 津波予見、高裁は宮城県沖地震で判断  河北新報 5.8

  しかし、これで仙台高裁判決に「法的に」対抗できるとは思えない。高裁判決が大川小校長らに予見し・備えるべきことを求めたのは東日本大震災に伴う津波ではなく、「宮城県沖地震」(マグニチュード8.02004年に想定された)で生じる津波だったからである。

 「判決は、宮城県沖地震が起きた場合、近くの北上川堤防が揺れで沈下したり、遡上(そじょう)津波で壊れたりする危険があったと指摘。地震や津波で堤防が壊れた事例は震災前にも複数あり、さまざまな文献などでこれまでも紹介されていた。
 高裁は「校長らに必要とされる知識や経験は住民の平均よりはるかに高いレベルでなければならない」とした上で、「詳細に検討すれば、大川小が津波浸水予想区域外だとしても、津波の危険を予見することは十分できた」と結論付けた。
 判決は、危険を認識できた以上、校長らには宮城県沖地震に備える安全上の義務があったのに、避難場所さえ決めていなかったことを学校の過失と認定した」のである(河北新報、上掲、5.8)。

 「判決には東日本大震災を予見しろとも、専門家のような知識が必要だとも書かれていない」(<大川小訴訟>「子どもの命に向き合って」 遺族、市の上告方針に疑義 河北新報 5.8

 とすると、「東日本大震災は想定外だった」などという上告理由はとってつけた屁理屈にすぎない。何のためにこんな屁理屈をこねるのか。市長自身の保身のためとしか考えられない。

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Author:寿
農業情報研究所(WAPIC)=http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/の所長・所員・小使いを兼務。原発事故で「明るい農業・農村」の夢を失った老い先短い老人です。

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