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冷戦時代の核実験 トナカイ牧畜民の体内放射能レベルはなお高い 発がん率は何故か普通と変わらず

農業情報研究所2017123日より転載 

フィンランド放射能・核安全庁(Stuk)によると、フィンランド・北部ラップランドのイナリ・イヴァオ村のトナカイ牧畜民は、国のどこの住民よりも体内放射能レベルが高い。

 国の極北地域に住む住民の放射能レベルは、ソ連の大気中核実験が行われた1960年代初めから研究されてきた。当時に比べると住民のセシウムレベルは減ってきたが、ラップランド住民の放射能レベルは他の地域住民に比べてなお高い。

 イヴァロから1000㎞も離れた北極海のノヴァヤゼムリャで行われたソ連の核実験は、地域住民の放射能レベルを以前の1000倍にも引き上げた。チェルノブイリ原発事故の影響は南向きの風で免れたが、米国の核実験で放出されれたセシウムもフィンランドのラップランドやその他の地域に降り注いだ。ラップランドのイナリとウツヨキの住民の放射能レベルは60年代半ば、セシウム137が平均45000ベクレルという最高を記録した。

 フィンランド気象研究所の2011年のリポートによると、そのレベルは1100ベクレルに下がっいるが、他の地域の住民よりは、なお10倍も高い。トナカイ飼いは大量のトナカイ肉を食べるからだ。トナカイはコケやキノコを食べることでセシウムをいっぱい摂りこんでいる。魚やイチゴも人工放射性物質を含んでいる。

 ところが、そんなラップランド住民の発がん率は他地域と同じだ。ノルウェーのラップランド牧畜民・サミ族の発がん率は国の他の地域の住民より低いという研究もある。理由は分っていないという。 

Lapland reindeer herders still carrying radiation from Cold War nuclear tests,YLE,17.3.6

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寿

Author:寿
農業情報研究所(WAPIC)=http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/の所長・所員・小使いを兼務

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