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復興相発言騒動 安倍首相の責任を追及する報道ひとつだになきぞ悲しき

 今日の東京新聞、「こちら特報部」が今村復興相の原発事故自主避難者を巡る「自己責任」発言問題を取り上げている。そのリード部分では、復興相は発言を撤回したものの辞任を求める声はやまない、「今村氏や安倍晋三首相が今回の騒動を本当に反省しているのなら、震災復興のあり方を抜本的に見直すべきではないのか」と問題の核心を衝いている。

 

 「自己責任」発言謝罪、撤回でも… 今村復興相に収まらぬ怒り(特報) 東京新聞 17.4.12 朝刊 2425

 

 今村氏の問題発言は、そもそも「31日に自主避難者の住宅無償提供が打ち切られた。自主避難者に対する国の責任をどう感じているのか」という記者の質問に答える中で生じたものだ。だから、この発言をめぐって「本当に」問われているのは、31日をもって自主避難者への住宅無償提供を打ち切るという「震災復興のあり方」である。そして、この住宅無償提供打ち切りの最終責任者は安倍晋三首相その人である。それは、福島県知事からの協議を受けた内閣総理大臣(安倍晋三首相)が同意を与えることで最終的に決まったものだからである(衆議院議員本村賢太郎君提出自主避難者への住宅支援に関する質問に対する答弁書 衆議院 平成二十八年十二月二十日)。

 

  そういう意味で、復興相だけではなく、安倍首相の名もあげて「反省」を迫るこのリードは核心を衝いているというのである。

 

 ところが、本文を読むと、「安倍首相は八日、視察先の福島県相馬市で記者団に『復興相から既に謝罪しているが、私からも率直におわび申し上げたい』と陳謝した」というほか、安倍首相の名前は全然出てこない。

 

 「安倍首相」という言葉は、すべて「政府」(「今村氏個人の問題だが、根底にあるのは政府の考え方ではないか」―原発事故被害者団体共同代表・武藤類子さん)、「復興庁」(「大臣の舌禍事件に見えるが、自己責任論は復興庁の政策の延長線上にある」―避難の協同センター世話人・満田夏花さん)、「安倍政権」(安倍政権は復興相ポストを大臣経験の場としか考えていないのではないか。被災者に十分向き合おうとする姿勢がない表れだ」―金子勝・慶応大教授)の言葉でかき消されている。恐らくは故意にではない。

 

 「復興相発言」を問題にする余り、「住宅無償提供打ち切り」という本来の問題が忘れられたか、霞んでしまったとしか考えられない。それにより、「私からも率直におわび申し上げたい」と書かれた安倍首相が善玉に浮かび上がるという仕組みだ。東京新聞までもがこんな仕組みに嵌ってしまったのかという思いである。

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寿

Author:寿
農業情報研究所(WAPIC)=http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/の所長・所員・小使いを兼務

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