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ため池除染などできない相談 飯舘村避難住民懇談会 それでも還れ!村のため、国のため

 農業情報研究所 2017414日より転載

 帰還困難区域の長泥地区を除く全域に対する避難指示が331日をもって解除された福島県飯舘村が12日、村外で避難生活を送る住民を参加者とする国と共催の懇談会を開始した。

 伊達市であった初日は住民約20人が参加、菅野典雄村長は「村民の声を国に届けて復興を進めたい」と話したが、会場からは「農業用ため池の除染を進めてほしい」などと、営農再開に向けた環境整備を求める声が上がった。

しかし、国は「全てのため池を除染するのは難しいが、マニュアルを作成して個別に対応していく」としか答えなかった。

<避難解除>飯舘村で初の住民懇談会 河北新報 17.4.14

村は策定した「営農再開ビジョン」を基に、農業の再生を図る方針を示し、農業再開支援として1世帯当たり最大50万円を補助する村独自の補助制度も紹介したという。しかし、里山やため池の除染が終わる前に帰還、「営農再開」をめざす住民は少ないだろう。風評被害ではない、ため池を含む農地の放射能汚染こそ村の農業再生を阻む最大の要因だ。

東方農政局の平成28年度福島県内のため池等における放射性物質の調査結果によれば、飯舘村の居住制限区域・避難指示解除準備区域内の15のため池の流入口・湖心部・取水口45ヵ所のうち、低質(乾土)のセシウム137濃度が1キログラム当たり8.9万ベクレル以上が3ヵ所、3万ベクレル以上が4ヵ所、2万ベクレル以上が7ヵ所、1万ベクレル以上が13ヵ所を数える(別添2 平成28年度 避難指示区域内ため池の調査結果)。そんなため池に取り囲まれた農地で、営農意欲などわくものか。

福島県内農業用ため池の除染は、豪雨などに際して汚染土壌が下流の水田や水路に流出する恐れがあるとして早急な除染求める農家の声を受け、15市町村(飯舘村は含まれない)で計画されているが、実際には何も始まってもいない。除染土の中間貯蔵施設への本格的搬送の目途も立たない中、ため池除染で出る大量の汚染土をどうするのか、仮置き場にさえ困るだろう(<原発事故>ため池除染  条件しく焦りの色 河北新報 16..6.8;ため池除染、国と東電負担 県、モデル工法普及へ 福島民報 16.3.14)。国が「全てのため池を除染するのは難しいが、マニュアルを作成して個別に対応していく」としか答えられないのは当たり前だ。

それなのに、安倍晋三首相は「風評被害を払拭(ふっしょく)して販路を開拓できるよう応援する」、「本格的な復興に向けた第一歩だ。お花見が7年ぶりにできるようになった。大変うれしい」などと浮かれている(「風評被害払拭を応援」 福島の牧場で激励)。村民の声は、国にはとても届きそうにない。「そこが村長のつれところよ」??

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Author:寿
農業情報研究所(WAPIC)=http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/の所長・所員・小使いを兼務

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