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米朝首脳会談 外交努力の継続が重要 日本は「どのように交渉し平和を創出するのか」

 1日に始まるアジア安全保障会議に合わせ、小野寺五典防衛相は米国、韓国、オーストラリアなどの国防相と相次いで会談、北朝鮮の非核化(CVID)に向け圧力維持の必要性を訴え続けた。トランプ米大統領が「最大限の圧力」との文言を使わない意向を示したことに懸念を示したものだ。

  小野寺防衛相、対北朝鮮圧力維持に腐心=囲網の緩み懸念 時事 18.6.4

  それにもかかわらず、3日にお行われた日米韓外相会議の共同声明は、北朝鮮の「完全で検証可能かつ不可逆的な方法での非核化に向けた外交努力」を引き続き支援するとしたものの、「圧力」という表現は盛り込まなかった(日米「圧力」明記せず防衛相声明 対北で韓国に配慮  東京新聞 18.6.4)。

 トランプ大統領は米朝首脳会談を前に、北朝鮮の「段階的非核化」を容認する姿勢に転じている(トランプ氏 段階的非核化を容認 米朝12日に会談 毎日新聞 18.6.1)。朝鮮が短期間にCVIDを実現するのは困難という現実を直視、CVIDに拘ることで非核化に向けた「外交努力」、「対話」の機会が永遠に失われるのを恐れたからにほかならない。韓国国防部の宋長官も「(日本が過去に)北朝鮮にだまされ続けたからと未来もだまされ続けると考えるならどのように(北朝鮮と)交渉し平和を創出するのか」と、アジア安全保障会議における小野寺防衛省の基調演説を批判している(国防部の宋永武長官、国際会議で日本防衛相の演説に釘刺す livedoor NEWS 18.6.3)。

先月当ブログで、「すべての当事国は外交プロセスを継続させることに利益を見いだしているが、どの国も交渉において妥協したくはないと考えている。それ故、もし重要な当事国の怒りを買って事態を再び急激にエスカレートさせることにならない限り、プロセスを遅らせる要因はほぼすべて歓迎するだろう」というロイター・コラムニストの記事を紹介した(米朝首脳会談 最も現実的なシナリオ 今日の内外注目記事:2018年5月23)。今回の米朝首脳会談については、「外交プロセスが前進しているという錯覚を維持するためにすべての当事国が尽力しつつ、朝鮮半島では現状維持が続くというのが最も可能性の高いシナリオだろう」、それが現在の世界の大局から見た最善のシナリオだと言うのである。

 ところが日本の政治家は安倍首相や小野寺外相のみならず、野党議員までもが、トランプ氏の対北朝鮮軟化に懸念を示している(3日、NHK日曜討論)。彼らは今、「重要な当事国の怒りを買って事態を再び急激にエスカレートさせる」道、朝鮮半島のみならず日本の住民までもが戦禍にまみれさせる道を選ぼうとしているのである。大局を読めない政治家は国を亡ぼす。

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Author:寿
農業情報研究所(WAPIC)=http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/の所長・所員・小使いを兼務。原発事故で「明るい農業・農村」の夢を失った老い先短い老人です。

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