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G20財務相・中銀総裁会議 「保護主義」対抗の必要性で一致 目糞(TPP)鼻糞(日米FTA)を笑うか

 ワシントンで開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議、「自由貿易の重要性を共有し、保護主義に対抗していく必要性で一致した」そうである。「ただトランプ米政権は二国間交渉で自国の利益を目指す考えで、内向きな姿勢に変化はない。七月にドイツで開かれるG20首脳会合に向けて、火種は抱えたままだ」という。

 G20自由貿易の重要性共有 保護主義の波、残る火種 東京新聞 17.4.23

 ドイツのショイブレ財務相は閉幕後の記者会見で、「世界経済の成長のためには自由貿易が好ましい、という方向性で幅広い合意を得た」と言った。

 しかし、ムニューシン米財務長官は、22日の国際通貨金融委員会(IMFC)会合に向けた声明で、対米貿易黒字を持つ日本や中国、ドイツを念頭に「過剰な貿易黒字と赤字は、自由で公正な貿易システムに資するものではない」と訴えた。今後、米国企業の雇用増を目指し市場開放を強く求めるのは必至で、各国とも警戒を強めている。

 麻生太郎財務相は21日の会見で「環太平洋連携協定(TPP)の方が日米にとっていいシステムだ」と強調。日本は米国抜きでTPP発効に向けた協議を進め二国間交渉を求める米国をけん制していく構えだ、とのことである。

 G20自由貿易の重要性共有 保護主義の波、残る火種 東京新聞 17.4.23

 ところで、「保護主義」って一体何なのか?「自由貿易」って?

 「二国間交渉で自国の利益を目指す」、「米国企業の雇用増を目指し市場開放を強く求める」のはどうして「保護主義」で、「自由貿易」に反するのか。

 「環太平洋連携協定(TPP)の方が日米にとっていいシステムだ」とはどういうことだ。それは米国とは裏腹な「日本の内向きな姿勢」を表すだけのことではないのか。

 相も変わらず、「保護主義」・「自由貿易」の言葉だけが飛び交っている。「「保護主義」とか「自由貿易」とかいう言葉は、それを体現する具体的貿易政策とその経済効果に関連づけられて初めて意味を持つ」(言葉だけが飛び交う「保護主義」・「自由貿易」 保護主義=悪 自由貿易=善は本当か 農業情報研究所 16.11.20)。

 TPPとか二国間FTAは、そもそも無差別最恵国待遇を基本原則とするガット・WTOの下での真の自由貿易体制から逃れるための似非自由主義・保護主義を体現するものにすぎない。それが貿易拡大→経済成長に寄与するというのが神話の類のはなしなら(EPAの関税減免措置 輸出企業の半数以上が利用せず 原産地規則が貿易創出・拡大を妨げる 農業情報研究所 17.4.21)、TPPの方が二国間FTAよりいいなど、目糞鼻糞を笑うといった類のはなしだ。

 「自由貿易の重要性を共有し、保護主義に対抗していく」というのも、地域貿易協定(RTA)や二国間FTAを前提としたはなしなら意味がない。WTOの下での多角的自由貿易交渉への注力を何故謳わないのか。

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寿

Author:寿
農業情報研究所(WAPIC)=http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/の所長・所員・小使いを兼務

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