記事一覧

トランプショック 「保護主義」と「自由で公平な貿易」の再考の契機にも

 国際通貨基金(IMF)の国際通貨金融委員会(IMFC)が22日、世界経済の不均衡是正に向け努力することで合意したが、採択した共同声明では、これまでのIMFC声明に入っていた「あらゆる形の保護主義に抵抗する」との文言が盛り込まれなかった。

これを伝えるマスコミ、これは保護主義的な政策を掲げ、貿易赤字の解消に向けてドル高を牽制する米トランプ政権の主張に配慮した結果だと強調している。米国の圧力でIMFCも「保護主義」に譲歩せざるを得なかったと言いたげだ。経済成長の観点から自由貿易=善、保護主義=悪と前提する従来のマスコミ論調に照らすかぎり、これは、トランプ政権の誕生で世界の経済成長を支えてきた自由貿易体制に赤信号が灯ったと言うに等しい。

IMF助言機関も「反保護主義」削除 米政権の意向反映 朝日新聞 17.4.24

IMFC「保護主義に対抗」文言削除 米トランプ政権に配慮 NHK NEWS WEB 17.4.23

しかし、ことはそう単純ではない。IMFC委員長のカルステンス・メキシコ中央銀行総裁は会見で、反保護主義の文言が削除されたことに関する質問に、「われわれが会合で目指しているのは、前向きで建設的なバランスをとることだ。保護主義という言葉を使用するのはあいまいだ」としたうえで、「われわれは、基本的に何が達成可能か、何か最終的な目標かに焦点を絞ろうとしている。最終目標は貿易を利用することだ。(中略)自由で公平な貿易が必要ということで足並みが揃っている」と語ったという。

IMFC声明から「反保護主義」抜ける、為替の文言は踏襲 ロイター 14.4.24

これは、トランプショックが、「保護主義」という従来の「あいまい」な用語法に対する再考を促し、改めて「自由で公平な貿易」を追求する契機を与えたということだ。「自由で公平な貿易」を生み出すシステムとはいかなるものか、それが改めて問われている。TPPが真に「自由で公平な貿易」を生み出すのか、それもまた問われている。

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

寿

Author:寿
農業情報研究所(WAPIC)=http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/の所長・所員・小使いを兼務

フリーエリア

フリーエリア

フリーエリア